『進行がんは「免疫」で治す “世界が認めた”がん治療』発刊!

進行がんは「免疫」で治す “世界が認めた”がん治療
幻冬舎 
著者 角田卓也 昭和大学臨床薬理学研究所 教授

●自著を語る
この本はがん免疫療法について、現在、世界で何が起きているのかをできるだけ客観的にエビデンスベースで書きました。がん免疫療法は、がん治療において、過剰な期待と極端な否定の両極端です。
そこで、医師になって30年間ずっとがん免疫療法を研究してきたものとして、「何が期待できるのか?」「何が分かってきたのか?」をできるだけ平易に、患者さんやそのご家族に分かりやすく書いたつもりです。
免疫チェックポイント阻害剤でがん免疫療法のみならず、がん治療自体が大きく変わってきました。すなわち、たとえ進行がんでも、がんで亡くならない患者さんが出てきた、ということです。
分子標的薬は一時的によくなっても、残念ながら、必ずといっていいほど効かなくなり最終的にはがんで亡くなってしまいます。
ところが、がん免疫療法で、3年生きたら、5年、10年と生きておられる患者さんが出てきました。これをカンガルーテール現象と呼び、がん免疫療法の特徴となってます。現在、皮膚のがんや肺がんなどで承認されておりますが、今後どんどんいろんながんに広がってきます。
もはや、がんで死ななくなる時代、がんが「死にいたる病」から糖尿病や高血圧などのように「慢性疾患」にパラダイムシフトを起こしつつあります。この本は大きく変わるがん治療の現状を詳しく紹介しております。患者さんやご家族のご理解の一助になれば幸いです。

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8月26日(土) 日本初、膵臓がんに対する細胞療法に関する講演会開催

日本初、膵臓がんに対する細胞療法の治験に関する講演会

3年間の和歌山医科大学での寄付講座による臨床研究の土台の上に、新たながん免疫療法確立に向けた治験を開始。すなわち、再生医療等製品に係る医師主導治験「標準療法不応の進行膵がん患者さんを対象とした樹状細胞ワクチンの有効性、安全性の検討」である。同大での手続き、並びに2012年1月のPMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)への治験届提出も完了し、本年3月より治験が開始された。その最新動向などを講演していただく。

●講演概要
テーマ:日本初、膵臓がんに対する細胞療法の治験
日 時:平成29年8月26日(土)14:30〜16:30(受付開始
:14:00)
主 催:一般社団法人 市民のためのがんペプチドワクチンの会
場 所:モバフ新宿アイランド  新宿アイランドタワー20階
〒163-1320 東京都新宿区西新宿6-5-1 TEL 03-6759-8939
http://www.moboff.co.jp/shinjuku/
交 通:地下鉄から(地下道で直結) 東京メトロ丸の内線『西新宿駅』より30秒
JR線・京王線・小田急線『新宿駅』西口改札口より新宿副都心方面約徒歩8分
定 員:100名
申 込:定員になり次第締め切りますので、aida@ccpvc.orgにお申込み下さい。
参加費:無料

●プログラム
14:30     開会
(司会) 市民のためのがんペプチドワクチンの会理事  佐原 勉
14:30〜14:40 開会挨拶 市民のためのがんペプチドワクチンの会代表  會田昭一郎
14:40〜15:20 最先端のがん免疫療法-がん;死に至る病から慢性的疾患へ-」
        昭和大学臨床薬理研究所臨床免疫腫瘍学講座教授 角田卓也
15:20〜16:00 日本初、膵臓がんに対する細胞療法の治験
和歌山県立医科大学外科学第2講座講師     勝田将裕
16:00〜16:30 質疑応答
(都合により、日程、講師等に変更のある場合もございますのでお含みおき下さい。)

●開催にあたって
市民のためのがんペプチドワクチンの会(CCN)は日本で初めて市民による寄付講座を和歌山県立医科大学に開設し、膵臓がんと食道がんに対するペプチドワオクチンの医師主導の臨床研究を支援し、外科学第2講座の山上裕機(やまうえ ひろき)教授を中心とする研究チームが推進してきた。
残念ながらペプチドワクチンの有効性は証明されるに至っていないが、この度、3年間の寄付講座による臨床研究の土台の上に、新たながん免疫療法確立に向けた治験を開始した。すなわち、再生医療等製品に係る医師主導治験「標準療法不応の進行膵がん患者さんを対象とした樹状細胞ワクチンの有効性、安全性の検討」である。同大での手続き、並びに2012年1月のPMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)への治験届提出も完了し、本年3月より治験が開始された。
がん免疫療法で主にがん細胞の直接攻撃を担う兵隊細胞は、細胞傷害性T細胞(キラーT細胞:CTL)と呼ばれる。一方、今回の治験で用いる樹状細胞は、がん免疫でCTLに対する司令塔となる細胞であり、樹状細胞ワクチン療法では、この司令塔細胞を大量に作製し活性化させてからペプチドをパルスし、患者さんに投与する。司令塔である樹状細胞の力を最大限発揮するよう工夫することで、ペプチドそのものを患者さんに投与するペプチドワクチン療法よりも効率よくCTLを誘導し、ピンポイントでがん細胞を攻撃する兵隊を大量に増員することができる。本治験では、テラファーマ(株)の治験製品提供を受けて、標準療法不応膵がん患者さんに対するWT1ペプチドパルス樹状細胞(TLP0-001)の有効性および安全性を検証するものであり、本療法は従来にはない新たながん免疫療法の切り札と期待されている。
本邦における膵臓がんの死亡数は年間約31,000人で、肺がん、胃がん、結腸がんについで第4位。直近25年間のがん全体の発生率は1.3倍、死亡率は0.96倍の増加であるのに対し、膵臓がんは発生率、死亡率ともに1.5倍に増加している難治性のがんとなる。2/3の患者で診断時に既に高度進行の切除不能であり、予後はきわめて不良である。こうした中、標準療法不応の進行膵がんの治療法は、まだ確立されておらず、より効果的な治療法が待望されている。
本医師主導治験は、樹状細胞免疫療法の安全性と有効性を検討する二重盲検ランダム化比較試験(第Ⅰ相試験から第Ⅲ相試験までを包括)となり、これにより再生医療等製品としての創薬に必要なエビデンスの構築を目指す。

資 料 提 供 担当:和歌山県立医科大学電 話073-447-2300(大学代表)
【内容に関すること】外科学第2講座講師 勝田将裕(内線5112)

がんペプチドワクチン臨床研究中間報告

がんペプチドワクチン臨床研究中間報告

“日本初”の市民支援による寄付講座のがんペプチドワクチン臨床研究は、寄附講座の開設と同時に2013年9月より開始しました。しかし、残念ながら2015年7月に「市民支援型寄付講座」は休止となりましたが、和歌山県立医科大学消化器第2外科が寄付講座の研究を継続しています。

がんに対する治療法は日々進歩していますが、まだまだより良い治療を必要とする患者さんはたくさんいます。なかでも、膵臓がん、食道がんは手強いがんで、治療の選択肢も多くありません。そこで、これまでの基礎研究および臨床研究を通してこれらのがんに対する新しい治療薬、がんペプチドワクチン療法の開発を行ってきました。

ステージ4の患者さん57人が臨床研究に参加

今回の臨床研究は手術療法ができない患者さんや標準的な治療法が効かなかった患者さんを対象としていますので、臨床研究に参加される方のステージは4期になります。膵臓がんの臨床試験は、これまで22人の方が参加されています。年齢は40代から70代後半まで幅広く、女性が約6割です。食道がんの臨床試験は35人の方が参加されています。こちらも年齢は40代から70代後半まで幅広いですが、性別は男性が9割です。これは、食道がんは男性が罹患することが多いためと考えられます。

膵臓がんは、腫瘍が大きいことや転移があることなどにより手術治療を受けることができない患者さんが対象になります。食道がんは、標準的な抗がん剤などの治療が効かなかったり副作用で継続できない患者さんが対象になります。がんペプチドワクチンの安全性や効果を検証するための研究として治療しますので、その他にも細かい基準はありますが、今回の研究では、一般的な臨床研究では参加できない基準の患者さんでも幅広く参加してもらいやすい基準になっています。

それは、今回の研究が市民の皆様のご支援で行う研究であることから、より多くの患者さんに参加してもらうことに意義があるという趣旨と、我々研究者としては、様々な患者さんのデータを集積することでがんペプチドワクチン治療の裾野を広げていく研究を行うという趣旨によります。

がんペプチドワクチンの安全性と有効性を検証

たとえば、一般的ながんペプチドワクチンの臨床研究はHLAのタイプがA24という型の患者さんのみを対象とすることが多いのですが、これでは日本人の60%の方しか参加できないことになります。われわれは、A24型に加えてA02型の方でも研究に参加できるように準備しましたので、日本人の80%以上の方が研究に参加頂けるようになりました。

膵臓がんは、先述のように、腫瘍が大きいことや転移があることなどにより手術治療を受けることができない患者さんを対象に治療しました。このような患者さんに対しては、抗がん剤治療を行うことが標準的な治療になります。臨床研究では、この抗がん剤治療にがんペプチドワクチンを併用する治療を行いました。

具体的には、Gemcitabineという膵臓がんに対する世界標準の治療を行う際にがんペプチドワクチンを併用投与し、その安全性と有効性を検証しています。食道がんは、標準的な抗がん剤などの治療が効かなかったり副作用で継続できない患者さんを対象にしましたので、他に治療法がありません。そこで、食道がんに対するがんペプチドワクチンを毎週投与し、その安全性と有効性を検証しています。

研究が順調に進められていることが最大の成果

この研究は3年間で膵臓がん40人、食道癌40人の患者さんにそれぞれがんペプチドワクチンを投与することでの安全性および治療効果や免疫学的反応を検討することを目的として開始されました。また、治療中の患者さんの生活の質についても調査させて頂いております。これまで研究が順調に進められていることが一番の成果です。中には、ワクチンの投与により腫瘍の進行が抑制されたと考えられる患者さんもいますが、この研究を最後まで遂行することでがんペプチドワクチンの創薬に向けた有用なデータをお示しすることが市民の皆様の支援にお応えすることになると考えています。

 副作用が少なく効果に手応えも

がんペプチドワクチン療法は一般に副作用が非常に少ない治療です。この研究においてもペプチドワクチンとの因果関係が否定できない副作用はほとんど認めておりません。ただし、ワクチンの投与部位には免疫反応に由来する皮膚反応(発赤・びらん・潰瘍など)が生じます。

これまでの研究を通して、すべての患者さんとは言いませんが、「確かにがんペプチドワクチンが効果を発揮する患者さんがいる」という手ごたえを感じています。また、がんペプチドワクチンは副作用が少ないですから、患者さんの負担が少なく治療中の生活の質が保たれることが期待されます。

がんペプチドワクチン治療は、近年、世界的に研究開発が進められており、新規のがん治療法として確立されることが最も期待されている治療法の一つです。繰り返しになりますが、今後この研究を遂行することで、どの様な患者さんにがんペプチドワクチンが良く効くのか、ということも含め、がんペプチドワクチンの創薬に向けた有用なデータを明らかにし、一刻も早くペプチドワクチンを治療薬として市民の皆様にお届けすることが、皆様の支援にお応えすることになると考えています。

市民の声やサポートが大きくなるほど早期の創薬化につながる

和歌山県立医科大学では現在も積極的にがんペプチドワクチン療法の開発研究を行っています。“日本初”の市民支援の寄附講座が休止になっても、今までの膵臓がんと食道がんのがんプチドワクチン臨床研究は継続されています。臨床研究が“日本初”の市民支援による寄付講座開設に伴って設置された「がんペプチドワクチン治療学講座」により行われることは、非常に大きな意義があります。

それは、新しい治療薬の開発において、患者さんの声を無視した開発では意味がないこと、そして今回の市民支援の寄附講座のように患者さんとともに目標に向かって研究を進めていくことは、我々研究者の大きな精神的支えになるからです。そして何より、市民の皆様の声やサポートが大きくなればなるほど、行政や製薬会社も創薬を迅速に進めざるを得なくなることが期待できるからです。

今回の市民支援の寄附講座開設と、それに伴って臨床研究が開始されたことは、市民の皆様の力を合わせることで、それが大きな力となった結果だと思います。従来の寄附講座は、企業や自治体の寄附が一般的ですが、市民の寄附による寄附講座は他にありません。研究とは本来、世の中に還元できる成果を出すために行うものでありますから、市民の皆様とともに研究を進めて新しい治療薬の開発を目指すこの寄附講座の理念は素晴らしいものであると思います。

引き続き市民の皆様のご支援のもとで研究を継続

寄付講座は現在休止となりましたが、われわれはその意志を貫き、引き続き市民の皆様のご支援のもとで研究を継続しています。 研究を中止してしまえば、これまでの臨床研究に御協力頂いた患者さんのデータを世の中に還元することができません。がんペプチドワクチンの創薬に向けた有用なデータを明らかにするためには、この臨床研究を継続完遂する必要があります。

がんが進行し現在の標準療法では治療法がない、と宣告された多くの患者さんたちは、新規治療法の開発を待望しています。しかし、新薬の開発には規制も多く、がんペプチドワクチン治療薬の開発研究をオールジャパン体制で迅速に進めることが、国際的な見地からも患者さんが待望する治療法の早期実現の見地からも必須の課題であります。

また、多様な患者さんにより幅広く治療を提供できるように裾野を広げる研究の展開が求められます。我々は、市民の皆様の支援により開始したこの臨床研究を遂行することで、がんペプチドワクチン創薬に向けた有用なデータを集積します。この臨床試験は、和歌山県立医科大学のみならず全国施設を含めた臨床試験に展開されております。

和歌山県立医科大学
消化器第2外科
がんペプチドワクチン治療学講座
勝田将裕

2016年7月

 

“日本初”の「市民支援型寄付講座」休止と臨床研究継続のお知らせ

“日本初”の「市民支援型寄付講座」休止について

2015年7月31日

一般社団法人 市民のためのがんペプチドワクチンの会
代表理事 會田昭一郎

●皆様からお預かりいたしましたご寄付は、全額、和歌山県立医科大学(以下、和歌山医大)に寄付させていただきました。
●上記の寄付により和歌山医大に開設されました「がんペプチドワクチン治療学講座」におきましては、お蔭様で一定の成果を上げることができました。
●「市民支援型寄付講座」は休止されても、和歌山医大における臨床研究は継続されます。
●2015年4月1日以降もご寄付の募集は続けており、和歌山医大のがんペプチドワクチン研究目的に限定したご寄付は、毎年3月末、9月末に和歌山医大に寄付いたしますので、引き続きご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

本当に無念の気持ちでいっぱいですが、“日本初”の「市民支援型寄付講座」は休止のやむなきに至りましたことをご報告いたします。
休止ということになりますと、暖かいご支援をお寄せいただきました皆様をはじめ、私たちの高い志にご関心をお寄せいただいております皆様の一番懸念されます点を上記にまとめさせていただきました。これまでの経過と「がんペプチドワクチン治療学講座の成果」に分けてご説明させていただきます。
私たちといたしましては、なんらかご寄付等、財務状況が好転次第すぐにでも再開すべく、「休止」とさせていただくことといたしました。
しかし、市民支援型寄付講座は休止となりましたが、がんペプチドワクチン臨床研究は “日本初”の市民支援による寄付講座開設に伴って設置された「がんペプチドワクチン治療学講座」によって継続されます(詳細は「がんペプチドワクチン治療学講座の成果」参照)。

今までの寄付金1,500万円は和歌山医大に全額納付

2013年4月に3年間の予定でスタートした日本初の市民による寄付講座は、「コーヒー2杯分(1,000円)を1年に1回だけ寄付してください」という合言葉で広範な市民の皆さんのご協力をお願いして参りました。

計画は3年間で3,000万円を和歌山医大に寄付することになっておりましたが、1年に1回1,000万円をまとめるのは大変なので、半年払いということにしていただき、3月末、9月末に500万円ずつ寄付して参りました。第1期こそ100万、50万といった大きなご寄付もありましたが、その後、2期、3期と進むにつれて寄付はほとんど集まらず、止む無く当会の代表である會田より第1期150万円、第2期400万円、第3期450万円の借り入れを行い事業を支えて参りました。

こうして3期分1,500万円の寄付を寄付したところで行き詰まりました。會田は決して資産家ではありませんが、猛暑、厳寒でも暖冷房も一切使わず節約に努め、1期分の150万円程度でしたら老後の蓄えとしての僅かの預金を取り崩して歯を食いしばって頑張れば持ちこたえられると思っておりました。ところが2期、3期は結局、寄付金額のほとんどを會田が負担しなければならない状況となりました。

和歌山医大と市民のためのがんペプチドワクチンの会は2015年3月27日付で当該寄付講座休止についての合意書を取り交わし、当該寄付講座に対する寄付金額として、2014年度分1,000万円、2015年度半期分500万円、総額1,500万円を市民のためのがんペプチドワクチンの会が和歌山医大に支払い済みであることを相互に確認しております。皆様方からお寄せいただきましたご寄付は、全額和歌山医大にご寄付いたしましたことをご報告申し上げます。

公平性と未承認薬がハードル

こうした市民運動には、マスメディアの協力が欠かせません。実は私たちはがんの標準治療でのセカンドオピニオン情報提供等を行っております別のがん患者会「市民のためのがん治療の会」をすでに12年間運営しております。「市民のためのがん治療の会」が立ち上がるとき、複数のメディアで取り上げていただき、一気にテイクオフすることができました。

今回も当初から「市民のためのがんペプチドワクチンの会」の活動を取材してこられたメディアもあり、そうした報道があれば、「市民のためのがん治療の会」の創設当時同様にテイクオフできると考えておりました。ところが当会の創設を準備中にがんペプチドワクチンの有害事象についての報道があり、それ以降、メディアや製薬会社なども、がんペプチドワクチンからは一斉に手を引いてしまったようです。甘かったと言われればそれまでですが、標準治療に行き詰まった患者さんに救いの手を差し伸べたい、そして一刻も早くがんペプチドワクチンの製薬化を実現し、第4の標準治療にしたいという思いで活動をスタートさせた次第です。

こうしたことから様々な事業者や事業者団体の社会貢献関連部署等に直接のご寄付だけでなく、社内報などでの広報などを含め広範なご協力をお願いして参りましたが、公平性確保、未承認薬という理由などで、ご協力を得ることができませんでした。

以上が資金的に行き詰まった背景ですが、つい最近も大きなご寄付をいただくなど、ご寄付は引き続きお寄せいただいております。これからも、和歌山医大の研究支援目的のご寄付は間違いなく3月末と9月末に、和歌山医大のがんペプチドワクチン研究目的に限定して寄付いたしますので、ご安心ください。

最後にこれだけは皆様にご理解いただきたいことですが、一般に寄付はその一部が事務費などに回されます。当会にまとまったご寄付をいただきました方が、「大学や病院などに寄付することを考えたが、寄付金額の1割から3割ぐらいが事務費になると聞いてガッカリした。その点市民のためのがんペプチドワクチンの会は全額が寄付目的に使われることを知って、この会に寄付することに決めた」と言っておられました。

寄付金の一部は寄付団体の職員の給与や活動費などに充当されるのが一般的ですが、「市民のためのがんペプチドワクチンの会」の場合は1円たりとも寄付目的以外には使っておりません。ただ、このことは会の運営にとりましては大変シビアな問題で、ボールペン1本、紙1枚自分たちの自腹で用意しなければならず、その分も會田の補てんに含まれております。なお、会の運営は関係者のボランティアに加えて、会員の年会費とペプチドワクチンのセカンドオピニオンの手数料によって活動費を賄っておりますが、こちらも残念ながら厳しい状況が続いております。より一層のご支援をお願いする次第です。

「市民支援型寄付講座」開設でがんペプチドワクチン臨床研究が開始・継続

残念ながら「市民支援型寄付講座」は休止になりましたが、がんペプチドワクチン臨床研究は継続されます。これは“日本初”の「市民支援型寄付講座」開設が、地球の引力圏を脱出するロケットの第一段ブースターの役割を果たすことができたものと自負しております。
したがって、今後もがんペプチドワクチン治療支援に関する寄付は継続します。特に特定目的のご寄付は今までと同様に和歌山医大に全額寄付させていただきますので、どうぞよろしく変わらぬご支援のほどお願い申し上げます。

「市民支援型寄付講座」によるがんペプチドワクチン臨床研究の成果

当会の1年半にわたる1,500万円の寄付によって得られた成果、さらには今後の臨床研究等について、和歌山医大消化器第2外科がんペプチドワクチン治療学講座担当の先生方とのQ&A形式で取りまとめました。

がんペプチドワクチン臨床研究について

Q1
“日本初”の市民支援による寄付講座のがんペプチドワクチン臨床研究のスタートはいつですか? また研究期間は何年ですか?
A1
臨床研究は、寄付講座の開設と同時に2013年9月より開始しました。研究期間としては1年6ヵ月の研究期間となります。その後、寄付講座の意志にて研究自体は継続しています。

Q2
当会は市民支援型の臨床研究を行うに際し、最難治がんである膵臓がんと、治療も大変で予後も決して良くない食道がんに取り組もうと考えましたが、先生方がこれらのがんに取り組まれた理由は何でしょうか?
A2
我々は消化器外科医として日々がん患者さんの治療にあたっています。がんに対する治療法は日々進歩していますが、まだまだより良い治療を必要とする患者さんはたくさんいます。なかでも、膵臓がん、食道がんは手強いがんで、治療の選択肢も多くありません。その点で市民のためのがんペプチドワクチンの会の皆さんの志と一致しています。
そこで、これまでの基礎研究および臨床研究を通してこれらのがんに対する新しい治療薬、がんペプチドワクチン療法の開発を行ってきました。また、新しく寄付講座による臨床研究を立ち上げるにあたっても、難治がんの患者さんにより良い治療薬を届けられるようにするための研究を行いたいと考え、膵臓がんと食道がんを選びました。

Q3
臨床研究に参加された方の年齢・性別やがんのステージをお知らせください。
A3
今回の臨床研究は手術療法ができない患者さんや標準的な治療法が効かなかった患者さんを対象としていますので、臨床研究に参加される方のステージは4期になります。
膵臓がんの臨床試験は、これまで13人の方が参加されています。年齢は40代から70代後半まで幅広く、女性が約6割です。食道がんの臨床試験は25人の方が参加されています。こちらも年齢は40代から70代後半まで幅広いですが、性別は男性が9割です。これは、食道がんは男性が罹患することが多いためと考えられます。

Q4
臨床研究への参加基準は何でしょうか?
A4
膵臓がんは、腫瘍が大きいことや転移があることなどにより手術治療を受けることができない患者さんが対象になります。食道がんは、標準的な抗がん剤などの治療が効かなかったり副作用で継続できない患者さんが対象になります。がんペプチドワクチンの安全性や効果を検証するための研究として治療しますので、その他にも細かい基準はありますが、今回の研究では、一般的な臨床研究では参加できない基準の患者さんでも幅広く参加してもらいやすい基準になっています。
それは、今回の研究が市民の皆様の御支援で行う研究であることから、より多くの患者さんに参加してもらうことに意義があるという趣旨と、我々研究者としては、様々な患者さんのデータを集積することでがんペプチドワクチン治療の裾野を広げていく研究を行うという趣旨によります。
たとえば、一般的ながんペプチドワクチンの臨床研究はHLAのタイプがA24という型の患者さんのみを対象とすることが多いのですが、これでは日本人の60%の方しか参加できないことになります。われわれは、A24型に加えてA02型の方でも研究に参加できるように準備しましたので、日本人の80%以上の方が研究に参加頂けるようになりました。

Q5
どんな治療を行ったのでしょうか?
A5
膵臓がんは、先述のように、腫瘍が大きいことや転移があることなどにより手術治療を受けることができない患者さんを対象に治療しました。このような患者さんに対しては、抗がん剤治療を行うことが標準的な治療になります。臨床研究では、この抗がん剤治療にがんペプチドワクチンを併用する治療を行いました。具体的には、Gemcitabineという膵臓がんに対する世界標準の治療を行う際にがんペプチドワクチンを併用投与し、その安全性と有効性を検証しています。
食道がんは、標準的な抗がん剤などの治療が効かなかったり副作用で継続できない患者さんを対象にしましたので、他に治療法がありません。そこで、食道がんに対するがんペプチドワクチンを毎週投与し、その安全性と有効性を検証しています。

がんペプチドワクチン臨床研究の中間報告

Q6
この1年6カ月の臨床研究でどんな成果がありましたか?
A6
この研究は3年間で膵臓がん40人、食道がん40人の患者さんにそれぞれがんペプチドワクチンを投与することでの安全性および治療効果や免疫学的反応を検討することを目的として開始されました。また、治療中の患者さんの生活の質についても調査させていただいております。
これまでに約半分の患者さんに参加いただくことができましたので、研究が順調に進められていることが一番の成果です。中には、ワクチンの投与により腫瘍の進行が抑制されたと考えられる患者さんもいますが、この研究を最後まで遂行することでがんペプチドワクチンの創薬に向けた有用なデータをお示しすることが市民の皆様の支援にお応えすることになると考えています。

Q7
どんな副作用がありましたか?
A7
この研究は現在も継続中であります。臨床研究の倫理指針から研究の途中で研究データの詳細を公表することはできません。しかし、がんペプチドワクチン療法は一般に副作用が非常に少ない治療です。この研究においてもペプチドワクチンとの因果関係が否定できない副作用はほとんど認めておりません。ただし、ワクチンの投与部位には免疫反応に由来する皮膚反応(発赤・びらん・潰瘍など)が生じます。

Q8
この間の臨床研究を踏まえて、がんペプチドワクチン治療にどんな期待が持てますか?
A8
すべての患者さんとは言いませんが、「確かにがんペプチドワクチンが効果を発揮する患者さんがいる」という手ごたえを感じています。また、がんペプチドワクチンは副作用が少ないですから、患者さんの負担が少なく治療中の生活の質が保たれることが期待されます。
がんペプチドワクチン治療は、近年、世界的に研究開発が進められており、新規のがん治療法として確立されることが最も期待されている治療法の一つです。繰り返しになりますが、今後この研究を遂行することで、どの様な患者さんにがんペプチドワクチンが良く効くのか、ということも含め、がんペプチドワクチンの創薬に向けた有用なデータを明らかにし、一刻も早くペプチドワクチンを治療薬として市民の皆様にお届けすることが、皆様の支援にお応えすることになると考えています。

がんペプチドワクチン臨床研究継続と今後の展開

Q9
寄付講座は休止になりましたが、研究は継続されるのですか? また、市民による寄付講座の意義はなんでしょうか?
A9
和歌山県立医科大学では現在も積極的にがんペプチドワクチン療法の開発研究を行っており、“日本初”の市民支援の寄付講座が休止になっても、今までの膵臓がんと食道がんのがんプチドワクチン臨床研究は継続されます。
臨床研究が“日本初”の市民支援による寄付講座開設に伴って設置された「がんペプチドワクチン治療学講座」により行われることは、非常に大きな意義があります。それは、新しい治療薬の開発において、患者さんの声を無視した開発では意味がないこと、そして今回の市民支援の寄付講座のように患者さんとともに目標に向かって研究を進めていくことは、我々研究者の大きな精神的支えになるからです。そして何より、市民の皆様の声やサポートが大きくなればなるほど、行政や製薬会社も創薬を迅速に進めざるを得なくなることが期待できるからです。
今回の市民支援の寄付講座開設と、それに伴って臨床研究が開始されたことは、市民の皆様の力を合わせることで、それが大きな力となった結果だと思います。従来の寄付講座は、企業や自治体の寄付が一般的ですが、市民の寄付による寄付講座は他にありません。研究とは本来、世の中に還元できる成果を出すために行うものでありますから、市民の皆様とともに研究を進めて新しい治療薬の開発を目指すこの寄付講座の理念は素晴らしいものであると思います。寄付講座は現在休止となりましたが、われわれはその意志を貫き、引き続き市民の皆様のご支援のもとで研究を継続しています。

Q10
市民支援の寄付講座および寄付講座による臨床研究を継続するとどんなことが期待されますか?
A10
研究が中止してしまえば、これまでの臨床研究に御協力頂いた患者さんのデータを世の中に還元することができません。がんペプチドワクチンの創薬に向けた有用なデータを明らかにするためには、この臨床研究を継続完遂する必要があります。
これまでわが国で展開されてきたがんペプチドワクチン臨床試験の枠組みでは、ヒト白血球型抗原(HLA)の型の不一致や試験の適格基準を満たさないなどの理由で治療を提供できない患者さんが数多くおられました。そこで、和歌山県立医科大学外科学第2教室にがんペプチドワクチン療法の研究開発をさらに加速発展させるための基礎研究/臨床研究を展開する、“全国初”のがん患者団体寄付による「がんペプチドワクチン治療学講座」が開講された訳です。
当講座では和歌山県立医科大学のみならず全国施設を含めたがんペプチドワクチンに関する臨床試験を展開し、その研究成果を国内外に発信することで全国のがん治療の質を向上させるとともに、新規がん治療法を開発することで患者さんの治療選択肢を増やすことを目的とします。さらに、がんペプチドワクチン治療に取り組むことによって、標準療法では対応できないがん患者さんに希望の火を灯していく所存です。

Q11
今後のがんペプチドワクチン臨床研究の展開は?
A11
がんが進行し現在の標準療法では治療法がない、と宣告された多くの患者さんたちは、新規治療法の開発を待望しています。しかし、新薬の開発には規制も多く、がんペプチドワクチン治療薬の開発研究をオールジャパン体制で迅速に進めることが、国際的な見地からも患者さんが待望する治療法の早期実現の見地からも必須の課題であります。また、多様な患者さんにより幅広く治療を提供できるように裾野を広げる研究の展開が求められます。
我々は、市民の皆様の支援により開始したこの臨床研究を遂行することで、がんペプチドワクチン創薬に向けた有用なデータを集積します。この臨床試験は、和歌山県立医科大学のみならず全国施設を含めた臨床試験に展開されております。

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Q12
市民のためのがんペプチドワクチン会員およびがん患者や家族へのメッセージをお願いします。
A12
ご支援ありがとうございます。我々は、皆様のご支援で開始した臨床研究はもちろん、その他の治験・研究も含めた成果を国内外に発信することで全国のがん治療の質を向上させるとともに、がんペプチドワクチンという新規がん治療法を開発することで患者さんの治療選択肢を増やすことを目的に開発を進めます。今後ともご支援をお願い申し上げます。

寄付講座報告0729

進行膵がんの医師主導治験について

1.ペプチドワクチン進行膵がんの医師主導治験「サバイビン2B」について
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ロハス・メディカルのご厚意で『ロハス・メディカル』2014年3月号の記事を紹介させていただきます(下記リンク参照)。
難治がんの代表例とも言える進行膵臓がんに対して、日本で開発されたペプチドワクチンによる医師主導治験が始まっています。膵臓がんは、胃がんや大腸がんの数分の1しか発生しませんが、死亡原因では、がんの第5位となっています(年間2万8000人超)。発見から5年以上生存する人は10%未満です。
特有の初期症状といったものがなく、約8割もの症例が進行がん(ステージⅣ)で見つかります。既に周囲の重要臓器に拡がっていたり、肝臓などに転移していて、外科手術できないことが多いのです。また、切除可能だった場合にも、早期に再発するケースが少なくありません。化学療法(抗がん剤)も副作用 の割に効果が薄く、放射線療法も局所的で効果は限られ、有効な治療法が確立されていないのです。
そんな中、2013年10月から、「サバイビン2B」というペプチドワクチンを用いる医師主導の第2相臨床試験(治験)が始まりました。チームは、東京大学医科学研究所と札幌医科大学の合同で、がん研有明病院からも医師が参加しています。2015年7月現在、神奈川県立がんセンターも治験実施医療機関に加わっています。

『ロハス・メディカル』(2014年3月号)がん医療を拓く13

2.「サバイビン2B」を使った進行膵がんの医師主導治験への参加方法

治験に関する情報提供は、下記WEBサイトをご覧ください。
なお、治験に参加するには色々な条件がありますので、具体的には下記サイトの治験実施施設に直接ご相談下さい。

膵臓がんの治験募集

3,000症例を基にしたがんペプチドワクチン治療の単行本発刊!

久留米大学教授・がんワクチンセンター所長伊東恭悟先生が、これまでの治療を行ってきた3,000症例の貴重な知見や経験を基に、『がんを生きよう あなたのT細胞が治療の主役です』(医学と看護社)を発刊されました。非常に平易に書かれていますので、標準治療に行き詰まった患者さんや負担の少ないがん治療を考えている患者さんやが家族にとって、今後の治療生活の参考になります。

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『がんを生きよう あなたのT細胞が治療の主役です』
著者:久留米大学教授・がんワクチンセンター所長 伊東恭悟 著
定価:1,998円(本体1,850円+税)
発行:医学と看護社
●本書の特長
・本書は、がんと診断され、がんを生きよう! と思っておられる方とそのご家族と一緒に、生きるための手立て(治療法)を考えるために作成されました。
・私たちは、身体の中に7千億個もあるT細胞のおかげで感染やがんから免れています。しかし老化などでT細胞機能が低下し、がん制御ができなくなると発がんします。T細胞機能を維持するために必要な日常生活のあり方は? 受けているがん治療(抗がん剤や放射線治療など)の効果を向上させるために必要なことは?
・第1章では「なぜT細胞が主役ですか?」にお答えします。
・第2章では「T細胞でのがん治療とは何?」にお答えします。
・第3章と第4章では久留米大学がんワクチン外来を受診された患者さんから教わった「自分でできるT細胞機能の復活の道」について記載します。
・近い将来、T細胞療法はがん治療薬の主要な薬剤となることが期待されております。
・がんを生きる! ために、あなたが発病するまでがんを制御していたT細胞機能を、どのように復活させるか一緒に考えていきましょう。

●目 次
第1章 T細胞によるがん制御の仕組み
 第1部 ナチュラルキラー細胞との出会い
 第2部 T細胞との出会い
 第3部 がんワクチンとの出会い
 第4部 がんワクチン分子の同定
第2章 T細胞によるがん治療法の開発
 第1部 すべての人に同じペプチドを投与する
     がんワクチンは効かない
 第2部 個別化ペプチドワクチンの誕生
 第3部 個別化ワクチンの医薬品承認への道
 第4部 すべての患者さんへの提供をめざして
 第5部 免疫チェックポイント阻害薬の開発
第3章 あなたができるT細胞機能の復活Ⅰ──共通の道
 第1部 がんの原因を除く
 第2部 がんと食ベ物
第3部 痛みを制御する
 第4部 抗がん剤との併用について
 第5部 睡眠について
 第6部 運動について
第4章 あなたができるT細胞機能の復活Ⅱ──個別の道
 第1部 若くして発症した方
 第2部 遺伝子異常が関連する方
 第3部 小細胞肺がんの方
 第4部 原発不明がんの方
 第5部 「もう治療法はない」と言われた方
 第6部 稀ながんに罹患された方
 第7部 抗がん剤の副作用に強い方・弱い方
 第8部 「合併症のためにがん治療ができません・
     限られています」と言われた方
 第9部 リンパ球が少なく個別化ワクチンを受けられない方
 第10部 がんを生きよう! の目標が達成された方

注文用紙

LINEスタンプ第三弾「体調不良でございます!」公開!

漫画家の高田サンコ氏が、会の趣旨に賛同して描いていただいたLINEスタンプ第三弾「体調不良でございます!」が公開になりました。
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「体調不良でございます!」は、病気の方や家族の皆さんはもちろん、未病の方でも気軽に使っていただけるよう、日々の暮らしで変わる気分や体調について(不眠、食欲、悪寒、喜び等)、お嬢様とダンディな執事に託しスタンプで表現しました。

●スマートフォンからダウンロード
スマートフォンの「スタンプショップ」画面を下にドラッグして「体調不良でございます」で検索すると、すぐに見つかります。
なお、LINEをこれから利用する方や利用の仕方がわからない方は、本ページのLINEスタンプ「患者の気持ち」の利用手順をご参照ください。

●PCからダウンロード
https://store.line.me/stickershop/product/1078190/ja

LINEスタンプ第二弾「患者の気持ち2 和歌山パンダ編」公開!

和歌山県立医科大学の看護師チームの皆さんが、日々接する患者さんの気持ち受け止めて作成しました。

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病気に罹患している方や家族の皆さんの微妙な気持ちをLINEで伝えることができるLINEスタンプ第二弾を公開しました。今回は和歌山県立医科大学の看護師チームの皆さんが、「日々患者さんと接する中で患者さんの悩みや思いを受け止め、生活の質を評価する項目に沿って気持ちがうまく伝わるよう、パンダ に託して表現」したスタンプです。

●スマートフォンからダウンロード
スマートフォンの「スタンプショップ」画面を下にドラッグして「患者の気持ち」で検索すると、すぐに見つかります。
なお、LINEをこれから利用する方や利用の仕方がわからない方は、本ページのLINEスタンプ「患者の気持ち」の利用手順をご参照ください。
●PCからダウンロード
http://line.me/S/sticker/1078224

12.5 第27 回日本バイオセラピィ学会学術集会総会市民公開講座開催報告

2014年12月5日、第27 回日本バイオセラピィ学会学術集会総会 市民公開講座が開催されました。大阪駅に近いナレッジキャピタル コングレコンベンションセンタールーム7に約60名が参加し、がんペプチドワクチンの最前線と可能性に聞き入りました。

講演された先生方によるパネルディスカッション

講演された先生方によるパネルディスカッション

二人の幼子を残して膵臓がんで奥様を亡くされたCCN会員である齋藤博之氏が、亡き奥様の無念の想いを受け継ぎ、これから大人になる子供達のためにも、誰でもどこでもがんペプチドワクチン療法を受けることができるよう訴えました。

CCN会員斎藤さんの講演

CCN会員斎藤さんの講演

その後、ペプチドがんワクチンの原理、テーラーメードがんペプチドワクチン療法、創薬のためのがんペプチドワクチン臨床研究〜市民のみなさまのご支援と希望〜、脳腫瘍に対するWT1ペプチドワクチン療法、免疫チェックポイント阻害剤と免疫応答の講演が行われ、會田代表理事が「天上の星をみつめ、足元も見る」CCNの活動を報告しました。
最後に、参加者の皆様の拍手をもって「① 一刻も早い創薬を② 治療法の選択は、患者に在る③ がん治療薬/ 治療機器の有効性は、もっと患者の視点を重視」するというアジェンダを採択して締めくくりました。

會田代表の講演

●アジェンダ
① 一刻も早い創薬を
私たちはまず一刻も早い創薬を切望します。いつでもどこでもだれでも、希望する人がペプチドワクチン治療が受けられるようにするには、薬が製品となって市場に出回るようにならなければ実現しません。結局、最終的には創薬が重要で、そのために国家的な免疫療法創薬の方針、つまり基礎研究から臨床研究への国を挙げての取り組みがないと国際競争できません。そのためにも、市民のためのがんペプチドワクチンの会が行っているような市民レベルからの盛り上がりが不可欠です。皆さん、手をつなぎ、私たちの願いを国レベルに押し上げましょう。

② 治療法の選択は、患者に在る
「患者が生きたい」「患者を生かしてあげたい」と思う家族などの気持ちを、何人も妨げることはできないはずです。国は国民の身体、生命、財産を守る責務があり、いい加減な治療法や治療機器を勝手に製造・販売することを禁止しているのは、当然のことです。
動物実験である程度効果が得られた程度の治療法を受けるのは無理かも知れませんが、かなりの研究実績も蓄積されているような治療法の場合は、一定の審査を経るなどルールを定めて治療を受けられるようにできないでしょうか。もちろん、患者や家族はその治療法が未だ研究途上のものであり、不測の有害事象の発生などの可能性を理解したうえでのこととなります。それも不可ということは、人道上問題ではないでしょうか。先日、エボラ出血熱に対してWHO が未承認薬の使用を許可したこと考えれば、人道的な使用を理解できると思います。
国もこのような事情を斟酌し、6 月に政府の規制改革会議が答申に患者申出療養制度を盛り込みました。これは困難な病気を患う患者からの申し出を基に、国内未承認薬や適応外の医薬品を従来よりも迅速に保険診療と併用できるようにするというもので、一歩前進というところですが、がんペプチドワクチンについても適用されることを強く要求します。

③ がん治療薬/ 治療機器の有効性は、もっと患者の視点を重視
患者にとって「がんが治る」というのは、必ずしもがんの退縮や消滅とは限りません。患者にとって、別にがんが小さくなって消えてなくなろうが、ちっとも小さくならなかろうが、健康を害することが無ければ、問題はありません。がんも体に悪い影響さえ与えないのなら、共存していても一向に構わないのです。現在の有効性の判定基準のように、がんが小さくなったり消えたりしないと「効いた」と認めないということになると、がんは小さくならないけれども、患者は長期生存しているような治り方をする治療法はいつまでたっても「有効性」が認められないことになります。実はがんペプチドワクチンはこういう効き方をする薬の一つのようです。私たちは、がん治療法の開発についても、もっと患者主体の判定基準の導入を要求します。

●当日の配布プログラム
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