正しい生活、教えます 「清潔を心がける」の巻

パソコンのマウスを丁寧にきれいに拭きあげる、次いでパソコン本体のディスプレイ、キーボード。パソコンにスイッチを入れておいて、立ち上がるまでの時間を利用して携帯電話、固定電話の2個の子機を拭く。
これが毎朝私が起床後洗面を済ませて最初にする日課だ。
もうお気づきだろうが、これらの機器は実は手で触り、口を近づけて話をすれば唾も飛ぶので、かなり不潔になるものだ。どこかで読んだような気がするが、キーボードなどは便座と同程度の大腸菌に汚染されているそうな。
確かに私も行儀の悪い話だが、ついつい食事をしながらキーボードを操作したりすることもある。
最近はやりのスマホとやらに至っては、指でやたらに弄繰り回すのだから、不潔極まる。どこかの週刊誌で、スマホはノロウイルスの温床とか言っていた。
ま、そういうわけで朝の最初の日課としてこんなことを毎日している。おかげでパソコン、マウスは白色だが、今もって真っ白、ピカピカである。

扨、市民のためのがんペプチドワクチンの会のサイトなどを訪問される方は何とかがんの症状が改善できないか、もしかすると一発で快方に向かうのではないか、というような期待を持たれるかもしれない。誰でも、注射一本、錠剤一粒飲んで、病気が良くなることを考えるものだ。

最近の健康食品、サプリメントブームも似たようなものかもしれない。平成24年5月23日放送のNHKためしてガッテン「発見!トクホ(特定保健用食品)でやせる本当のコツ」でも、「脂肪を消費しやすくする」といった表示を行うことが国に認められている「トクホ」の効果を厳しく見直している。

目が疲れるからブルーベリー、関節がすり減ったらグルコサミン、コラーゲンで肌をプルプルに、などなど。そんなにうまく行くもんかいな。「市民のためのがん治療の会」HPの「がん医療の今」に掲載した「いわゆる健康食品」などはがんに効くのか? 『健康情報を見極め、信頼性を見抜くのは、「あなた」』(http://www.com-info.org/ima/ima_20100120_aida.htmlでは、独立行政法人「国立健康・栄養研究所」の健康食品等に関する情報を掲載しているので、こちらももぜひご覧いただきたい。

話しを元に戻そう。

がんの治療は今のところ手術、放射線、抗がん剤の3大療法が標準的な治療法なので、これで対応しよう。さらにはこれらに行き詰まったら、何とかペプチドワクチンなどを考えてみたい。だが、そういう治療の前に、清潔を心がけるというような基礎的な生活習慣を着実に守ろう。

日本人は清潔好きと言われるが、私の見るところ男性は公衆トイレで半数程度は手を洗わない。

こういうことをいい加減にして、良い薬があればというのもいかがなものかと思うが、みなさんはどうお考えだろうか。

がんは生活習慣病ということをもう一度考え直してみたい。

あけましておめでとうございます

平成25年元旦の小笠原の夜明けです。小笠原諸島は、日本国土内の東南に位置するため、一般市民が生活している場所としては、日本一早く初日の出が見られる場所となります。小笠原チャンネル三澤一信様のご厚意で掲載させて頂きました。今年は曇りですね。でも、正真正銘、元旦の日本で一番早い夜明けの写真です。

がんの3大療法に行き詰まった方々が、一人でも多く未承認薬であるペプチドワク
チンの投与を受けられるように、市民のためのがんペプチドワクチンの会は今年、
本格的に活動を開始いたします。

具体的には日本初の「市民支援型臨床研究」プロジェクトです。市民のためのがんペプチドワクチンの会のHPをご覧いただき、ご支援、ご協力いただきますようお願いいたします。活動は順次HPなどでご報告いたします。

小笠原の夜明けのエネルギーをお届けし、皆様のご本復、ご多幸を心から祈念しま
す。本年も亦、どうぞよろしくお願いします。

平成癸巳 元旦

市民のためのがんペプチドワクチンの会 會田 昭一郎

天野篤・順大心臓血管外科教授に学ぶ

                 平成24年9月22日

天野篤・順大心臓血管外科教授に学ぶ

今年5月、19、20日に行われた東京大学五月祭に久しぶりに行ってみた。医学部医学科四年生企画の心臓外科を扱ったフジテレビのテレビドラマ「医龍-Team Medical Dragon-」の制作裏話などを含むトークショウを聞きに行ったのだ。ゲストは長部聡介氏(株式会社フジテレビジョン ドラマ制作センター部長)と天野篤氏(順天堂大学医学部心臓血管外科教授)。天野先生は言わずと知れた天皇陛下の心臓手術の執刀医だ。

小生としては天野先生のお話を聞きたかった。心筋梗塞の既往のある小生でも、心臓外科のことは良く知らない。心臓外科と言えば、南淵明宏大崎病院東京ハートセンターセンター長ぐらいは、いわゆるメディアが良く取り上げるので知っているが、天野先生と言っても、その道では超有名な方かも知れないが、ピンとこない。皆さんはどうだろうか。

天皇陛下の手術となると、一般に一番いい大学は東大で、その中でも医学部と言えばダントツ頭の良いところだから、そのまた医学部の先生となれば超々一流の先生だろうから、東大病院で東大の先生の手術を受けられるのかと思ったら、違っていた。

また、一般に「神の手」として知られている南淵先生でもなく、ほとんど存じ上げない天野先生ということになって、みなさん、へぇー、ということになったのではないだろうか。

「市民のためのがん治療の会」の代表協力医の西尾・北海道がんセン院長はいろいろな語録を出しておられ卯が、その中に「病気は名刺の肩書で治るもんじゃない」というのがある。一般市民は、名医とか有名大学の医学部教授などと言われると、こういう先生に診ていただければ安心だ、と思うのが普通だろう。だがもう一つの西尾語録「素人は騙せても、プロは騙せない」というのがある。メディアの情報で名医と言われる人が、実はほとんど臨床はやっていないこともあるそうだ。だがそういう情報は普通の人にはわからないから、どうすりゃいいんだ、と言われるだろう。そういうことを含めて情報公開をするために10年前に始めたのが、「市民のためのがん治療の会」だ。

今日書きたかったのは、「いわゆる有名な病院、有名な先生だからあなたの病気の治療に最適かというと、そうとは限らない。がんについてしか知らないが、なんでも東京に行って大先生に診てもらえばいいとも限らない、地方にだって、あなたにぴったりの良い先生がおられるかもしれない」ということではない。天野先生のお話の中に、なかなか傾聴すべきことがあるので、ご紹介してみたい。

東大の五月祭に戻るが、天野先生はフジテレビのテレビドラマ「医龍-Team Medical Dragon-」の医学監修をされたそうで、対談で色々なお話をされた。その中で印象的だったことをお話したい。

一言で言えば天野先生は努力家だと思う。失礼ながら、文系で言えば昔は一中、一高、東大、大蔵省主計局などと言われたいわゆるエリートコースの方ではないそうだ。だが、超人的な努力で臨床医としての腕を磨かれたようだ。
先生はほとんど病院に泊りこんでおられるようだ。そこで食事もご自分で用意や後始末もなさるようで、「洗い物も必ずやる。茶碗やコップを割らないように洗うのも、手先の訓練と思ってやっている」と言われた。また、「手足の爪を爪切りではなく、鋏で毎週切っている。これは手術時の鋏の使い方、自由に切り口の決まったところで鋏が止められるようにするなど、常に訓練を怠らない」とも言われた。これはある女子医学生からの質問への答えだったが、要は、勉強は机の前に座った時だけではない、日常生活のあらゆるシーンを勉強の場に応用することを教えられたのだと思う。

扨、今日のテレビで天野先生を取り上げられていたので、その中でも気付いたことを記そう。

実はがん患者会をやっているので、多くの医師にお目に掛かる機会がある。あるとき上述の五月祭の話をある先生方にお話ししたが、にやにやしておられたのを思い出す。どこの世界も「妬み、嫉み、やっかみ」に満ちているが、医師の世界もご多分に漏れず、天皇陛下の執刀医ということになると、「なんであいつが」ということもあるのだろうし、「あれにはこういう裏があって」などと訳知り顔に言う輩もたくさんいるものだが、医師の世界ではそうした裏話があって、私の話など、チャンチャラおかしかったのかもしれない。

そういう嫉妬の渦の中におられるからかもしれないが、今日のテレビで天野先生は、「人の倍ぐらい努力して頭角を現すと、出る杭は打たれる。だが3倍ぐらい努力して頭角を現すと、出る杭も打たれない」そうだ。確かに医学界ならずとも「出過ぎる杭は打たれない」つまりとびぬけた実力となると、皆納得してさすがに打たれなくなるというようなこともあることはある。

また、聴診器を患者の胸に当てるときに、冷たくないように手のひらでこすって温めてから当てておられた。確かに聴診器が当てられると、瞬間的だが冷たいショックが走ることもある。さらには時には聴診器を患者の耳にセットして、先生の心音を聞かせたりすることもあるようだ。要は患者を思い、納得させるための努力を惜しまないということに徹しておられるのだろう。

更に手術は速い方が患者の負担が少なく、また、施術者の負担も少なくなるのでよいが、最近はただ闇雲に手術時間の短縮競争のようになっているが、それは必ずしも患者のためにはならない。本当に求めるのは、「無駄のない」速い手術で、無駄のない速い手術は「美しい」と言われた。

蘊奥を究めた方の言葉には、専門を超えて、あらゆる人々の傾聴に値するものがあるし、患者会にとっても同様に、今までもずっと心がけてきているが、藁をもすがる思いの方々に寄り添い、少しでも役立つような運営を心がけねばならないし、患者もまた人がやってくれるのを待っているだけではだめで、自らも努力することがますます重要になってくると、つくづく思った。

がん患者にとっての海洋発電

                                    平成24年9月11日

海洋発電-患者にとっての電力需給

昨日は東京大学生産技術研究所の木下教授の研究室に伺い、海洋発電のお話を聞いてきました。これは私が世話役をしている母校・旧制府立貮中・現在の都立立川高校同窓会国立支部の事業として行われましたが、企画したのは私です。因みに木下先生は大阪の名門、旧制大阪府立壱中・現在の北野高校から東京大学工学部に進まれ、ボート部で活躍され、今もボート部長だそうです。

あえてがん関連の情報提供としてここに取り上げるのには、私なりに考えがあってのことです。

まず明らかにしておきたいのは、私は原発には反対というか、実際問題として原発による発電は無理ではないかと思っております。まず核燃料も外国に依存、運転管理システムの脆弱性は実証済み、核燃料廃棄物の廃棄方法も定まっていない(トイレのないマンシオン)、間もなく建設後40年の耐用年数を迎え、多少はごまかして延長するとしても大幅には無理、建て替えるのも今どき「どうぞ」というようなところはないでしょう、昔「東京に原発を」という本がありましたがベイエリアにでも作りますか。というようなことを考えると、到底無理な話のように私には思えます。

だがしかし、といいます。私たちがん患者にとって電力は普通の健康な方々よりずっと重要です。ただ生活するというなら、一時的にはろうそくやらキャンプのようなことをやっても生活できるでしょうが、定期検診を受けているような比較的軽い患者から、厳密な抗がん剤の点滴まで機械で行っているような重篤な患者、更には人工呼吸その他、コンピュータによる管理も欠かせません。そういう患者にとっては、電力、それも良質な電力は欠かせません。命に係わります。

今どきのことですから海外の経験のおありの方も多いと思いますのでご存知の方も多いでしょうが、日本のような安定した良質の電力が365日途切れることなく供給されている国はめったにないといっても良いでしょう。海外で、パソコンを使っていると、突然画面がきゅーっと縮んでパソコンが落ちてしまうようなことを経験された方もおられるでしょう。停電などしょっちゅう起こるそうです。アメリカは何でも一番進んでいると思われがちですが、例のNY大停電など記憶に新しいところです。

そこで原発反対、再稼働反対は良いですが、市民レベルでも代替エネルギーについて、「わたしたちにはわかーんない、偉い専門家の先生にうまくやってもらってよ」では済まされないのではないでしょうか。市民レベルでもいろいろなことを世界的に見て、先ずは知ること、そしてどうやったら実現できるかを考えてみることも大事だと思います。

別の方は、「孫さんなどがメガソーラなどやってるじゃない」とおっしゃるでしょうが、実は世界的に見て、代替エネルギーの供給源は陸から砂漠、海へと進んでいます。それはそうでしょう、地球の3分の2は海ですから。陸上はかなり限定されますし、第一日本は陸地は狭いのはご承知の通りですが、EEZ(排他的経済水域)レベルで447万平方キロの海洋水域を有する世界第6位の大海洋国です(国土面積38万平方キロの約12倍)。何もこの広大な海域を全部使うわけではもちろんありませんが、少なくともこうした海洋資源を利用しない手はない。

先日、NHKのクローズアップ現代で海洋発電が取り上げられ、コメンテータとして登場されたのが東大生産技術研の木下先生です。そこで先生を訪問し、お話をうかがうことになったわけです。

日本同様海洋国のイギリスが現在、海洋発電では世界をリードしているそうです。イギリスでは国が戦略的にテストプラント場を設定したり、様々な融資、優遇策を取っているので、現在世界をリードしており、北欧諸国、アメリカも盛んに研究しているそうです。

それどころかアジアでは、韓国、中国も大々的に研究を続けており、造船、自動車をはじめ、テレビ、液晶、太陽光パネル、白物家電など軒並み日本の得意分野があっという間に叩きのめされたような現象が、海洋発電でも起こりつつあるそうです。ついこの間まで「亀山工場製」と言えばプレミアムものだったシャープが、海外企業に買いたたかれています。海洋発電は今や全くさえなくなった造船というような重工業の戦略的な取り組み目標ですので、ぼーっとしていては国の根幹に関わる大きな産業基盤を失いかねないことだそうです。

海洋発電には様々な方式があるようですが、大きく分けて浮きドックのようなものを浮かべたりして、波動によって揺れるエネルギーを回転エネルギーに変える方式、そう、昔、流行った自動巻きの腕時計のような方式やシリンダで油圧をかけてタービンを回す方式、海底にスクリューを設置して海流のエネルギーでスクリューを回転させるなどの方式、ブイを浮かべてその上に超ど級の風力発電機を乗せるようなものがあるようです。これとは別に海面と海底の温度差を利用する温度差発電や、潮位の差を利用した発電などもあるそうです。

太陽光発電は言うまでもなく、夜は発電できないし、天気の悪い日は発電能力がぐっと低下します。また、最近では、一部改良型ができているようですが、鏡のようなパネルに反射する太陽光で迷惑する人や、風光明媚なところに巨大な太陽光パネルができると景観が悪くなるといって問題になったりしています。風力発電も、バードクラッシュや低周波公害、風きり音、落雷などのほか、景観の問題もあります。美しい山の稜線に風車が立ち並ぶのはご免蒙りたいです。富岳百景に風車を書き込んでみてください。ガックリ来ます。地熱も、うまく熱源に当たるかどうかも問題ですし、万一、温泉が枯れたり流出量が減少したり温度が下がったりなどのことがあったら、観光地などには壊滅的な影響が出ます。その点、海洋発電は、比較的、他の発電システムよりも周辺システムへの影響が非常に少ないようです。

ここまでお読みになって、ペプチドワクチンとそっくりだな、とお感じになった方もおいでかも知れません。そう、中村祐輔先生が「国家戦略がない」と嘆かれる構造にそっくりです。

問題はどちらも重要な産業政策にもなりうることを、国が、戦略的に取り上げて、重点的に投資を行い、世界に先駆けて実績をあげようとする気概が日本には全くないことです。ようやく8月末に閣議決定された新エネルギー戦略の中では、洋上風力発電が800万Kwh、海流発電と合わせて約1000万Kwhの計画のようで、他の太陽光などよりはるかに多い電力供給を見込んでいます。代替エネルギーというと、限られた太陽光、風力、地熱などという連想だけでなく、広く世界の潮流を見ましょう。日本にとって一番資源としても有利な海洋エネルギーを大いに活用しましょう。

もう一つ重大なことは、化石燃料にしろウランにしろ、原料を外国に頼るのは非常に危ういことです。できるだけ水、食料、エネルギーなどは最低限自給できるようにしておくのが国家戦略として大切です。その点、絶えることのない寄せ来る波、海底を流れる海流、鳴門の渦潮などを利用しない手はないではありませんか。

安全保障というと、ドンパチのことばかりではありません、こういう安全保障を考えるのが政治家ではないでしょうか。今日も埒もない政局にうろうろし、批判するはずのメディアも政治ショウをイージーに垂れ流し、コメンテータとやらが訳知り顔で、「実は裏はこうなっていて」とか「落としどころは」などとやっているのでは、本当に日本沈没です。でも、そういう人を選んだのは私たちでしたね。喝!だ。大喝!!だ。

下記にNHKのクローズアップ現代のHPの解説を転載しておきます。また、今年の2月7日のNHKおはよう日本でも報道されましたのでご紹介しておきます。

NHKクローズアップ現代 2012年5月10日(木) 海から電気を作り出せ
原発事故を受けていま、「海洋発電」に注目が集まっている。波や潮流の力を利用する海洋発電は、同じ自然エネルギーである太陽光や風力よりも安定して発電できるとされている。このため欧米では数年前から実用化を目指した開発競争が始まっている。特にイギリスは数々の優遇政策をもうけ開発をリード。試験的に電力供給も始めている。EU全体では2020年までに海洋発電で原発およそ5基分の電気をまかなう計画だ。一方、日本は、まだ国の導入目標はなく、開発環境も整っていない。実用化を目指す日本企業は苦戦を強いられており、その1つ、川崎重工は、日本を離れイギリスで技術開発・実用化を進める決断をした。世界で開発が進む海洋発電の可能性と、日本での導入・実用化への課題を探る

http://cgi4.nhk.or.jp/eco-channel/jp/movie/play.cgi?movie=j_ohayou_20120207_1661

NHK ECO CHANNEL (NHK エコチャンネル)
“海洋発電”を復興の力に NHKニュースおはよう日本 2012年2月7日 放送
津波の被害を受けた岩手県に、「海洋発電」の研究拠点を作ろうという動きが起こっています。海のエネルギーを使って発電する海洋発電。東日本大震災以降、再生可能エネルギーへの関心が高まり、実用化が進められていますが、実験を行える研究拠点の確保が課題でした。波や風が強い風土や近隣に研究施設がある立地から、岩手は拠点の適所だといいます。
県では、拠点を誘致することによって、雇用を確保し被災地の復興に役立てたいと、大きな期待を寄せています。

基本に忠実-正しい生活教えます-手作り料理のすすめの巻

                平成24年9月3日

基本に忠実 正しい生活教えます 「手作り家庭料理の勧め」の巻

『がんペプチドワクチン療法―第4のがん治療法への期待』が発売されました。初めての市民向けのペプチドワクチンの解説書です。本書の発行の効果もあってかFace Bookへの書き込みも増えました。

「市民のためのがんペプチドワクチンの会」のサイトにアクセスされる方の中には、厳しい状況の方もたくさんおられると思います。私も患者ですから良くわかりますが、がん患者ならだれでもこの手術を受ければ、この放射線治療で、この薬を飲めば、ペプチドワクチンを注射すれば一発逆転、治るというような、いわゆる「特効」を心から求めるものです。

でもどうでしょう、それらの医療は、私たちのからだが治ることを助けるもので、結局病気というものは自分の体が治すものなのでしょう。つまり自分の体がしっかりして、色々な抵抗力なども付いてきて初めて良くなるのではないでしょうか。

無理をさせ、無理をするなと、無理を言い というサラ川の傑作がありますが、自堕落とまでは言わないまでも、基本を忘れた生活をしながら、良い薬や良い治療を受ければ治る、というのはおこがましい話ではないでしょうか。
仮に良い治療技術、良い薬で治療していたとしても、規則正しい生活、早寝早起き、朝日を浴びる、良く噛んで食べる、偏らずたくさんの種類のものを食べる、旬のものを食べるなどの正しい生活が基本にあることは間違いないと思いますが、いかがでしょうか。

フン、何が正しい食事だ、と一笑に付す方も多いでしょう。そこで今日は、結果的に食事は加工食品の利用は極力避け、手作りの家庭料理を中心とするという正しい生活の基本が健康にいかに重要かということに関連して、ハーバード大学リサーチフェローの大西睦子先生が2012年7月29日にMRIC by 医療ガバナンス学会にご寄稿されたレポートをご紹介してみましょう。

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みなさん、老化の原因をご存知ですか?私たちの研究室では、『高リン酸が老化を促進すること』を報告し、ハーバード大学の学内誌で紹介され、アメリカのメディアでも話題になりました。
今回は、リンと老化の関係をお話したいと思います。リンは砂糖や食塩と違い、味がありませんから、1日どれだけ摂取しているか気づいている方は少ないと思います。実は現代人の私たち、無意識にリンを過剰摂取しているのですよ。

カルシウムが体に大切って聞いたことありますよね。それでは、リンはいかがですか?リンは、カルシウムの次に体内に多く存在するミネラルで、私たちの生体内で重要な役割を果たしています。
リンは、約80%がカルシウムと結合し、骨や歯の成分となっています。残りは、細胞膜やDNAやRNAといった核酸の構成成分となり、すべでの細胞に存在します。また、エネルギー源となるATPの成分でもあり、エネルギー伝達に必要で、さらに糖や脂質代謝にも極めて重要な役割を担っています。従って、リン不足は、骨軟化症、歯周病や筋肉低下などを引き起こします。実際、リンは多くの食品に含まれているので、不足することはまれであり、むしろ過剰摂取が問題となってきています。

それでは、どんな食品にリンは含まれているのでしょうか。私たちは、2種類のリンを食品から摂取しています。一つ目は、植物性、動物性タンパク質と結合している有機リンです。二つ目は、食品添加物として加工食品、ファーストフード、インスタント食品、調味料、清涼飲料水やお菓子などに含まれている、タンパク質と結合していない無機リン酸です。具体的には、ハムやソーセージなどの食肉製品には、保存性、色や風味をよくするための結着剤として、ラーメン、インスタント麺などにはかんすいとして、コシや色調をよくするためにリン酸塩が混ざっています。また、瓶詰、缶詰には防腐剤としてリン酸塩が添加され、清涼飲料水には、酸味料としてリン酸塩を用いることが多いです。

成人1日に必用なリン摂取量は約1,000mgです。有機リンを含んだタンパク質を摂取することで、十分リンも摂取できています。ところが最近は、無機リン酸の摂取が増加し過剰摂取となるのです。リンは小腸で吸収されますが、有機リンと無機リン酸は、体のリンの吸収効率が違うのです。植物性有機リンの吸収率は20-50%、動物性有機リンの吸収率は40-60%といわれていますが、無機リン酸は100%吸収されます。従って、私たちはリン過剰摂取になるのです。

残念なことは、食品添加物は、条件によっては表示義務がないため、実際私たちのリン摂取量が明確にわからないのです。2009年の国民健康栄養調査では、日本人リン摂取量は、男性は平均1,043mg、女性は平均908 mgと報告されています。ただし、この調査では食品添加物のリンの量は加算されていませんので、実際のリン摂取量はこれより多いと思います。1990年初頭、平均的なアメリカ人は食品添加物から1日約500mgのリンを摂取していたと言われていますが、最近は1日約1,000mg摂取しているといわれています。この原因は、食文化の変化、つまり加工食品、缶詰、清涼飲料水やファーストフードの摂取量が増えたためと指摘されています。

リンの約60%は腎臓から尿として、残りは腸から便として排泄されます。そのため血清リンの正常値は、2.5~4.5 mg/dLの正常範囲で維持されています。腎機能が障害されるとリンの尿中への排泄が低下し、高リン血症を認めます。末期腎不全では血清リン酸値の上昇に伴い、心血管疾患発症リスクの増大も報告されています。ところが最近、腎臓病患者だけでなく、健常者においても、血清リン酸の濃度と心血管疾患発症リスクの関係が報告されました。従って、リン過剰摂取による健康への害が懸念され始めたのです。

では、リンを過剰摂取すると何が起こるのでしょうか?以前から、リンを過剰に摂取すると、高リン酸がカルシウムの吸収を阻害し、骨からカルシウムを流出させ、骨密度が低下し、骨粗鬆症の原因になることは考えられています。最近、私たちは高リン酸が老化を促すことを発見したのです。
テキサス大学の黒尾誠教授と京都大学鍋島陽一名誉教授が発見したKlotho遺伝子は、抗老化遺伝子として注目されています。Klotho遺伝子を欠損したマウスは短命であり、皮膚、性殖器や筋肉の萎縮、肺気腫、骨異常、大動脈や全身の石灰化など、様々な早発性老化を認めます。
Klotho遺伝子を欠損したマウスは、血清のリン酸値が非常に高く、私たちはこの高リン酸が老化の原因と考えました。そこで、このマウスに遺伝子操作や食事療法を行い、リン酸値を正常化させました。驚くことに、このマウスの早期老化様病変がほとんど改善したのです。次に、高リン酸の食事を与えると、老化様病変が元に戻りました。従って、リンの過剰摂取は老化を促進することが考えられます。忙しくて、ついついファーストフードや加工食品に頼りがちな私たちの食生活ですが、この話をきっかけに、自然の食材を使ってお料理をしてみましょう。

最後に、私の好きなMary Oliverさんの詩をご紹介させて頂きたいと思います。“Tell me, what is it you plan to do with your one wild and precious life?” 私たちは、みんな年を取ります。せっかくの貴重な人生ですから、健康的な食生活を送り、楽しく長生きを目指しませんか。

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実はリン酸塩の過剰摂取については、私の専門の消費者問題では以前から、清涼飲料水などのリン酸塩が問題になっていました。ロンドン・オリンピックで色々なアスリートが、「骨折するといけないからと言って、清涼飲料水を禁止されている」などと言っていたのを覚えておられるでしょうか。大西先生のレポートで「以前から、リンを過剰に摂取すると、高リン酸がカルシウムの吸収を阻害し、骨からカルシウムを流出させ、骨密度が低下し、骨粗鬆症の原因になることは考えられています。」と言われておりますように骨密度を低下させ、骨折しやすくなるどころか老化を促進させるというようなことも分かってきたようです。

いかがでしょうか、ついつい面倒で加工食品で簡単に食事を済ませようとしたり、外食に頼ったり、不足していると思い込ませられてサプリメントを多用するよりも、旬の食材でバランスよく、家庭料理で充実した食生活を送ることがどんなに大切なことか、ご理解いただけたでしょうか。

がん患者なら健康な方以上に食事には注意をして、正しい食事をおいしくいただくようにしたいものです。基本に忠実、このもっとも簡単で、もっとも実行できにくい習慣を、果たして何人の方が身につけられるでしょうか。そういう基礎の上に3大療法やペプチドワクチンが効果を上げるのではないでしょうか。

市民のためのがんペプチドワクチンの会 発足のご挨拶

ご挨拶

市民のためのがん治療の会」(本サイトのFAQをご参照ください)は、間もなく創立10年になる。その間情報提供したセカンドオピニオン情報は1,400件近くに上る。
「こんな治療法もあったのか!」とか「いい先生に巡り会えた」と喜んでいただいた方々もたくさんおられる反面、標準治療である3大療法ではいかんともしがたい方に「ご家族との残された日々を有意義に・・・」としかお答えできなかった多くの会員の皆さんもおられる。
科学としての医学ではそれで正解であろうが、私たちは運動団体だ。
3大療法に行き詰まった方々が、高額で効果もはっきりしない治療や健康食品などに縋りついてゆくのを手を拱いてみているのは本当に辛い。 何とかいい手はないか。
そこで出会ったのがペプチドワクチンだ。
ペプチドワクチンは未承認薬であり、効果や安全性が確認されたわけではないが、私たちはその治療メカニズムや実績から、3大療法に次ぐ第4のがん治療として最も期待できるものと考えている。
「市民のためのがんペプチドワクチンの会」はこうした「市民のためのがん治療の会」の10年に及ぶ活動の中から生まれた団体だ。
だがペプチドワクチンは未承認薬であるから、「市民のためのがん治療の会」のように標準治療によるセカンドオピニオン情報を提供し、実際に治療までご案内することも今はできない。だから会員を募集し会費をいただくようなことはもう少し先にしようと思う。
だが、この閉塞状態をブレークスルーするためには、行動しなければならない。まずは多くのみなさんとメルマガ等を通じて情報交換の場を設け、必要に応じて署名や基金の創設などを呼びかけるなどのほか、患者や家族の声もどんどんお寄せいただき、この問題に関心のある方々とのネットワークを構築したい。
当会は特定の事業者や組織等との関係は全くない普通の市民が手弁当で活動している団体であり、関心を寄せられる方々との連携が最大の財産と考えている。
まずはネットワーク作りの第一歩を踏み出すことができたことを、心から喜び、誇りに思う次第です。
                                                       2012年7月8日
                                          市民のためのがんペプチドワクチンの会代表
                                                        會田 昭一郎