12.5 第27 回日本バイオセラピィ学会学術集会総会市民公開講座開催報告

2014年12月5日、第27 回日本バイオセラピィ学会学術集会総会 市民公開講座が開催されました。大阪駅に近いナレッジキャピタル コングレコンベンションセンタールーム7に約60名が参加し、がんペプチドワクチンの最前線と可能性に聞き入りました。

講演された先生方によるパネルディスカッション

講演された先生方によるパネルディスカッション

二人の幼子を残して膵臓がんで奥様を亡くされたCCN会員である齋藤博之氏が、亡き奥様の無念の想いを受け継ぎ、これから大人になる子供達のためにも、誰でもどこでもがんペプチドワクチン療法を受けることができるよう訴えました。

CCN会員斎藤さんの講演

CCN会員斎藤さんの講演

その後、ペプチドがんワクチンの原理、テーラーメードがんペプチドワクチン療法、創薬のためのがんペプチドワクチン臨床研究〜市民のみなさまのご支援と希望〜、脳腫瘍に対するWT1ペプチドワクチン療法、免疫チェックポイント阻害剤と免疫応答の講演が行われ、會田代表理事が「天上の星をみつめ、足元も見る」CCNの活動を報告しました。
最後に、参加者の皆様の拍手をもって「① 一刻も早い創薬を② 治療法の選択は、患者に在る③ がん治療薬/ 治療機器の有効性は、もっと患者の視点を重視」するというアジェンダを採択して締めくくりました。

會田代表の講演

●アジェンダ
① 一刻も早い創薬を
私たちはまず一刻も早い創薬を切望します。いつでもどこでもだれでも、希望する人がペプチドワクチン治療が受けられるようにするには、薬が製品となって市場に出回るようにならなければ実現しません。結局、最終的には創薬が重要で、そのために国家的な免疫療法創薬の方針、つまり基礎研究から臨床研究への国を挙げての取り組みがないと国際競争できません。そのためにも、市民のためのがんペプチドワクチンの会が行っているような市民レベルからの盛り上がりが不可欠です。皆さん、手をつなぎ、私たちの願いを国レベルに押し上げましょう。

② 治療法の選択は、患者に在る
「患者が生きたい」「患者を生かしてあげたい」と思う家族などの気持ちを、何人も妨げることはできないはずです。国は国民の身体、生命、財産を守る責務があり、いい加減な治療法や治療機器を勝手に製造・販売することを禁止しているのは、当然のことです。
動物実験である程度効果が得られた程度の治療法を受けるのは無理かも知れませんが、かなりの研究実績も蓄積されているような治療法の場合は、一定の審査を経るなどルールを定めて治療を受けられるようにできないでしょうか。もちろん、患者や家族はその治療法が未だ研究途上のものであり、不測の有害事象の発生などの可能性を理解したうえでのこととなります。それも不可ということは、人道上問題ではないでしょうか。先日、エボラ出血熱に対してWHO が未承認薬の使用を許可したこと考えれば、人道的な使用を理解できると思います。
国もこのような事情を斟酌し、6 月に政府の規制改革会議が答申に患者申出療養制度を盛り込みました。これは困難な病気を患う患者からの申し出を基に、国内未承認薬や適応外の医薬品を従来よりも迅速に保険診療と併用できるようにするというもので、一歩前進というところですが、がんペプチドワクチンについても適用されることを強く要求します。

③ がん治療薬/ 治療機器の有効性は、もっと患者の視点を重視
患者にとって「がんが治る」というのは、必ずしもがんの退縮や消滅とは限りません。患者にとって、別にがんが小さくなって消えてなくなろうが、ちっとも小さくならなかろうが、健康を害することが無ければ、問題はありません。がんも体に悪い影響さえ与えないのなら、共存していても一向に構わないのです。現在の有効性の判定基準のように、がんが小さくなったり消えたりしないと「効いた」と認めないということになると、がんは小さくならないけれども、患者は長期生存しているような治り方をする治療法はいつまでたっても「有効性」が認められないことになります。実はがんペプチドワクチンはこういう効き方をする薬の一つのようです。私たちは、がん治療法の開発についても、もっと患者主体の判定基準の導入を要求します。

●当日の配布プログラム
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