希望の治療法、がんペプチドワクチンとは。
代表メッセージ
あなたやあなたのご家族が、がんの3大療法、手術、放射線治療、化学療法に行き詰まって、「ご家族との残された日々を有意義に過ごされますように」と言われたら、どうしますか。

色々な考え方もあるでしょうが、多くの患者や家族は、それでも何とか生きたい、生かしてあげたいと思うでしょう。東大の調査によれば8割の患者は、最後まで治療を希望します。

わたしは12年前に舌がんの宣告を受け、本当に苦労をして口腔底まで広がった私の舌がんの治療をお願いする医師、北海道がんセンター院長の西尾正道先生を探し出し、治療に成功しました。その経験を社会的に生かそうと西尾先生と共に、セカンドオピニオン情報提供を中心とするがん患者団体「市民のためのがん治療の会」を設立し、約10年間活動しています。いかに優れた医師の情報を提供できるといっても「市民のためのがん治療の会」にも現代医学の限界があります。その活動を通して、私はどれほど多くの「残された日々を有意義に」というセカンドオピニオンを血を吐くような思いでお返ししてきたことでしょうか。

何とか第4の治療法はないものか。
このような思いは、厳しい状況にある方々ばかりではありません。実は私のような、一応は完治したといわれているような患者も、がん患者はいつも再発、転移の恐怖に苛まれているものです。会員の中からも、再発したら頼れるような治療法についての情報提供をすべきではないかという要望が上がったのです。

転機は意外なところにありました。2009年10月21日、私は偶然のきっかけで特定非営利活動法人先進医療フォーラム主催「第一回先進医療フォーラム」にお招きいただき、そこで東京大学医科学研究所の中村祐輔教授の記念講演「ヒトゲノム解析に基づいた新しい癌ペプチドワクチンの開発」というお話を伺う機会に恵まれたのです。

ペプチドワクチン療法は、(1)ペプチドワクチンに特別に反応しているリンパ球が、患者さんの血液中で増えていることを検証できる、(2)ペプチドワクチン治療を受けた患者さんの体の中で増えたペプチド特異的CTLが本当にがん細胞を死滅させることができるかどうかを科学的に検証することができるという点でわたしは他の免疫療法とは一線を画すもっとも第4がん治療法に近いものであると考えます。
一日も早くこの治療法が誰にでも行えるように、みなさんとご一緒に活動したいと思います。

2012年7月8日

市民のためのがんペプチドワクチンの会代表
會田 昭一郎

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